2008 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀から今日までの美術作品にみる「外国人」イメージについての総合的研究
Project/Area Number |
20652013
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Joshibi University of Art and Design |
Principal Investigator |
奥山 亜喜子 Joshibi University of Art and Design, 芸術学部, 准教授 (70317593)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 朋子 女子美術大学, 短期大学部・教職課程, 准教授 (50331418)
中力 えり 和光大学, 現代人間学部, 専任講師 (50386520)
|
Keywords | 表象文化論 / 「外国人」イメージ / 「国民」概念 / 国籍法 / 移民政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、芸術作品に読み取ることができる固定化された「表象・イメージ」の変遷を時系列的にとらえ、社会科学(法学・社会学・教育学)の視点から多角的に分析することである。そこで、ステレオタイプが典型的に現れる対象の一つとして、「外国人」の表現に着目した。 平成20年度は、研究の対象を「日本人」によって描かれた「外国人」、および「フランス人」よって描かれた「外国人」に絞った。 国内研究に関しては、まず、テーマに関連する先行研究について、多角的な視点から批判的に検討した。そして、図書館、資料館等で関連の資料・作品収集を行うことで、各自の研究分野から、日本における「外国人」をめぐる社会的条件について、時代ごとに整理した。 海外調査は、2月にパリおよびストラスブールを訪問し、実施した。パリでは、移民史記念館で開催されていた展示「19世紀から今日までのフランスにおける外国人」を研究代表者と分担者計3名によって閲覧した。その結果、それぞれの視点から意見を交換し、社会的、時代的条件によって、「外国人」概念(労働力、支配・興味の対象、敵対者、スケープゴートとしての存在など)がどのように変遷してきたのかが確認できた。また、関連する文献、重要な資料を相当量、収集することができた。 そして、19世紀から20世紀にかけて、国家の論理によりフランスとドイツの間で翻弄された地、アルザスの首府であり、現在は欧州政治の中心となっているストラスブールを訪問し、インタビューや資料収集を実施した。そこでは、本研究の基礎となるキーワードとして、「国民」という概念の意味をとらえなおす必要性を実感し、確認することができた。 次年度は、国内研究を継続するとともに、ドイツで予定している海外調査によって、今年度得られた知見・成果をさらに深め発展させていきたい。
|