2008 Fiscal Year Annual Research Report
趣味家集団「集古会」が近代の中世(文学)研究の生成に与えた影響についての研究
Project/Area Number |
20652018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
牧野 和夫 Jissen Women's University, 文学部, 教授 (70123081)
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Keywords | 趣味家 / 集古会 / 宋版大蔵経 / 知恩院 / 宗像大社 / 書誌学 / 色定法師書写一切経 / 蒐集 |
Research Abstract |
個人所蔵の合計40数冊の林若樹の日記・備忘録(一部、集古会々員岡田村雄の備忘録を含む)をはじめ、林若樹宛年賀状アルバム2冊1点、岡田村雄宛年賀状アルバム1冊1点など、約50点の若樹の身辺資料の調査に着手した。若樹の日記の調査に着手、大正三年分の一冊の解読を了えた。大正初期の学者・趣味家の日常の交流を知る好個の資料である。近く翻字分を学術誌に掲載する予定である。 集古会の機関誌『集古』『集古会誌』に収載された目録や掲載論文などに注目し、継続中の色定一筆一切経の調査の他に、その研究史に関する資料調査に着手した。集古会々員江藤正澄(福岡在住)・幸田成友(1873〜1954)らによっていち早く『考古界』や『集古』という雑誌に論文が掲載されていることの意味を考えた。江藤正澄らの蒐集・展観・閲覧資料の追跡調査を行うべく、宗像大社・九州大学附属図書館などに赴き江藤遺著類の調査を行い、資料収集につとめた。 同時に宗像大社蔵色定一筆一切経の詳細な書誌調査を行い、東禅寺版の尾題記類の蒐集を進め、新たな尾題記を発見し、知恩院蔵の宋版大蔵経との一致を更に確認するにいたった。一方、色定が書写の底本として活用した宋版:知恩院現蔵大蔵経の継続調査を大般若経に絞って進めた。いずれも、研究協力者の渡辺信和(同朋大学仏教文化研究所研究室長)・大橋直義(日本学術振興会特別研究員)・高橋秀城(元大東文化大学非常勤講師)・高橋悠介(元日本学術振興会特別研究員・現在神奈川県立金沢文庫学芸員)・藤巻和宏(早稲田大学高等研究所助教)の協力を得て行った。併せて大学院生の研究補助をえた。
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