2008 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀ヨーロッパの文学・芸術行為におけるノイズとその共同性への志向に関する研究
Project/Area Number |
20652024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川那部 保明 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (10169740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 恵里子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (20292493)
武井 隆道 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (10197254)
吉野 修 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (70230787)
江藤 光紀 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (10348451)
FRANCK Villain 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (20334071)
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Keywords | 身体 / 共同体 / 受苦 / ゲーテ / 祝祭 / 舞踊 / F.M.ブラウン / J.デュパン |
Research Abstract |
20世紀ヨーロッパの文学・芸術行為の、とりわけ詩、彫刻、写真、舞踏、音楽を対象として、現代の市民社会の「ノイズ」としての文学・芸術行為がはらむ共同性への志向を問いつつ、「ノイズ」が現代社会にもたらす創造性を明らかにすることが、本研究の目的である。 初年度の20年度は、「詩」の担当が川那部とヴィラン、「彫刻」が山口、「舞踏」が武井、「写真」が吉野、「音楽」が江藤、という分担のもとに、とりわけ<身体と共同性>というテーマを中心にすえて、互いに連絡を取り合いながらも個別の研究を深化する方向で活動を行った。 山口は、受苦の身体をとおして一瞬の間だけ現れる共同体というパラドクサルな救いのあり様を、綿密な論考において提示した。 武井は、舞踏と文学を身体の概念をもって結ぶことで、アレゴリーから象徴化の歴史をあらたに叙述する可能性を、示した。 ヴィランは、現代の詩人たちの極小化してゆく言葉のもつ身体性の多様な現れの具体相を、3人の詩人において叙述した。 以上の諸論考による研究実績の他に、川那部とヴィランはコロキウムLes liens du peu(2008年11月22-23日筑波大学にて、Miche1e Aquienパリ大学教授らを招聘)を開催、吉野は講演会「声と光りのウラ/無差別の差異への眼差し」(2009年2月10日筑波大学にて、吉増剛造氏を招聘)を開催、さらに江藤はウエブ・マガジン「クラシックニュース」においてVareseに関する音楽批評を展開した。
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