2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20652030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
原 大介 Aichi Medical University, 看護学部, 教授 (00329822)
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Keywords | 手話 / 中間型手話 / 日本手話 / 日本語対応手話 |
Research Abstract |
日本には大きく分けて日本手話と日本語対応手話の二種類の手話が存在するが,実際の言語使用の状況では日本手話の特徴と日本語対応手話の特徴を合わせ持つ中間型手話が多く用いられている。本研究(平成20年度)では,中間型手話使用者41名に研究協力を依頼した。データ収集のため研究協力者に課題を提示し,課題に沿った手話を表現してもらい,ハイビジョンカメラを使って撮影・記録した。課題は以下の通り。 1.地図の描写:(1)始点と終点と経路を示した地図を作成した。話者の視点を調べるため,経路は直線ではなく数回左右に曲がる経路にした。(2)指文字の音韻化の有無,音韻化のプロセスを調べるため経路上に指文字で表現する店(例:ドトール)を複数配置した。(3)CLの使用状況を調べるため,始点から終点までの途中に,道順を説明する際に言及不可避な参照点(お店や看板)を配置したり,経路上に動物(牛や鶏)を配置したりした。 2.自己紹介:(1)音韻リズムや語形成の特徴を調べるため,名前・住所・出身地等を日本語(漢字)で書いた表を研究協力者に提示し,それぞれについて手話で回答してもらった。ついで,非手指動作使用の有無や語順等を調べるため,自由に自己紹介をしてもらった。さらに,疑問文を5つ表してもらった。 現状では,(1)二人称代名詞の使用方法,(2)疑問文の提示方法,(3)語の音韻リズム,(4)話者の視点の使用方法において,日本手話には見られない特徴が散見されており,平成21年度以降に詳細な分析を行う予定である。一方,CLの使用方法,非手指動作,語順等に関しては期待通りの、データを得ることができなかったため,次年度に更なるデータ収集行う予定である。
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