2008 Fiscal Year Annual Research Report
阪神・淡路大震災避難所資料所在調査と保存に関する研究
Project/Area Number |
20652049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
水本 浩典 Kobe Gakuin University, 人文学部, 教授 (30140396)
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Keywords | 阪神・淡路大震災 / 被災地・避難所 / 震災資料 / 史料調査 / 資料保存 / 史料の散逸と保存 |
Research Abstract |
具体的研究内容 1.阪神・淡路大震災被災地(特に、神戸市域)の学校施設に対する震災資料所在アンケート調査実施(神戸市教育委員会の協力のもと実施) →約半数の学校施設が「不明」と回答している。また、既に、廃校になった学校施設の場合は、当該学校施設関係の震災資料はほぼ散逸・廃棄されたことが判明した。 2.アンケート調査に基づく具体的な震災資料調査の実施 ・神戸市立菊水小学校(2009年3月で統廃合)震災資料調査実施 →避難所関係資料の存在確認,震災後の「教育復興担当教員活動記録」資料の発見。 ・神戸市立真陽小学校震災資料調査実施 →既に、学校施設内には震災資料は存在せず。校区内公民館施設に避難所リーダー所持の震災資料の存在を発見。保存のための整理作業開始。 意義・重要性 本研究によって、震災後14年を経過する過程で、多くの学校施設に存在したであろう震災資料が散逸・行方不明・廃棄された事実が判明した。 また、残存資料のなかに、連絡用ファックス用紙(熱転写用紙使用)の文字部分が霧消しつつあることも判明した。なお、現時点ではかろうじて目視による判読可能。 学校施設管理者が数年で配置転換されていく現状では、保存されていると推測される震災資料の存在も引き継がれないため、行方不明の現状が浮かび上がってきている。早急な調査対象の拓大と対応が必要であると認識するに至った。
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