2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20652050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三澤 真美恵 Nihon University, 文理学部, 准教授 (90386706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 隆久 日本大学, 文理学部, 教授 (70253028)
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Keywords | 東アジア史 / 台湾 / 文化政策 / 映画フィルム史料 |
Research Abstract |
本科研では国立台湾歴史博物館準備処と共同の国際研究プロジェクトとして、新たに発見された植民地期台湾の映画フィルム167本および映画検閲脚本(以下、「台史博映画フィルム史料」と略記)を歴史学的手法によって整理分析し、文献資料だけでは捉えることのできない日台双方の歴史記述の空白を埋めると共に、視聴覚史料の歴史研究利用に関する方法論を確立することを目的としている。 上記目的遂行のため、2008年度はまず、台史博フィルム史料群(フィルム映像・検閲脚本)のデジタル複製品を、台史博の協力で日本に移行し、日本に現存する史料との重複調査を行い、希少性の高いものから順に1群(台史博のみが所蔵する史料)、2群(日本にも所蔵がある史料)に分類した。 その結果、映画検脚本はすべて「台南州教育課」の印字入りで日本には現存しない植民地期台湾固有の資料であると判断し、この資料の文字内容をデジタル入力する作業を行った。また、映像資料についも重複作業を行い、1群(台史博のみが所蔵する史料)と判明したものについては、整理に関する基礎作業として音声・字幕・画像のデータ入力をスタートさせ、半分程度まで進めることができた。 上記の史料整理作業と同時に、このプロジェクトに参加する研究者、すなわち三澤、古川のほか、研究協力者の栩木章(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員・映画室長)、山内文登(東京大学東洋文化研究所東アジア第二研究部門助教)らと共に、4月と11月にそれぞれ研究会を開催し、これらの資料を用いた個別研究の可能性を探った。
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