2009 Fiscal Year Annual Research Report
「市場社会」の神学的起源:ニュートン・クラーク論争から18世紀イングランド神学へ
Project/Area Number |
20653011
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
有江 大介 Yokohama National University, 国際社会科学研究科, 教授 (40175980)
|
Keywords | ニュートン主義 / 自然神学 / ライプニッツ / スコットランド啓蒙 / デカルト / スミス / センソリウム / 延長 |
Research Abstract |
第二年度の研究計画の中核は、第一に、既に取得してある1717年ロンドン出版のラテン語・英語対訳版Collection of Papers, Which passed between the late Learned Mr.LEIBNITZ, and Dr.CLARKE, in the Years 1715 and 1716. Relating to the PRINCIPLES OF Natural Philosophy and Religion. With and APPENDIX.を基本テキストとして、幾つかの新英訳ほかの関連文献を参照しつつ、ニュートンを代弁したクラークとライプニッツとの著名な書簡論争についての論文を刊行することであった。これは、「ライプニッツ=クラーク論争(1715-16)の社会科学的含意-神論から自然・人間論へ-」(横浜国立大学経済学会『エコノミア』60巻1号)に結実した。既に当該分野の研究者に大きな反響を呼んでいる。 第二に、年度後期に英国・ロンドン大学ベンサム研究所とイタリア・ピサ大学経済学部に赴き、欧米社会科学思想に対するニュートン主義の影響に関する資料調査と関連研究者との議論を行った。英国では、ニュートン主義のスコットランドおよびイングランドの神学思想への影響関係について、イタリアではガリレオ以来の宇宙論、デカルトの機械論などの新しい自然観がニュートンの新理論と相まって、どのように大陸の社会科学的発想に示唆を与えたのかについて考察を深めた。これらの研究は、本最終年度に主に英国とフランスにおけるニュートン主義の社会科学的影響についての論考に成果として結実する予定である。
|
Research Products
(3 results)