2008 Fiscal Year Annual Research Report
経験を学ぶ:エラー防止教育プログラム開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
20653053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 利章 Osaka University, 人間科学研究科, 教授 (00116104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 一光 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (60260642)
木村 貴彦 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (80379221)
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Keywords | 注意 / エラー / 安全教育 |
Research Abstract |
本年度の第一の目標は研究遂行のために用いる画像作成についての検討を行うことであった.すなわち,日常的な行動と結びつき,かつ,実験に用いる素材として適切なものを選定することであった.そこで,まず作業環境を選定することから行い,交通場面,スポーツ場面,芸術的場面が選定された.これらは,お互いに異なる状況ではあるが,いずれも経験を有することで行動の円滑な遂行を実現することが明らかであり,かつエラーによって最終的な行為が影響を受けるような場面と言える,今年度は特に,スポーツ場面における経験の問題を検討した.具体的な場面としてはテニスが用いられた. テニスを行っている場面を観察した際に,経験者と未経験者で画面内におけるプレイヤーの打球方向の変化を検出することと,打球の着地点の予測が課題であった.また,この時,同時に,場面認知であることから,眼球運動が計測された.なお,これらの課題に先立って,あらかじめ経験者と未経験者の両群ともに単純反応課題を実施した.これによって,単純反応課題そのものにおいては経験の違いが見られないことが示された.方向変化の検出は経験群の方が早く行えることが明らかとなり,このことは経験によって獲得されたものによって認知処理が促進されていることを示している.次年度以降ではこの経験によって獲得されているものがどういうものであるのかを引き続き検討していく. また,芸術場面として,「盆栽」を素材として用いることを検討している.これは一見すると同様の見かけであるにも関わらず,その善し悪しが明確に区別されるものであることと,経験群と未経験群における違いがクリアに示すことが可能であると考えられたためである
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