2008 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の運動機能支援効果に関する生理心理学的研究
Project/Area Number |
20653077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鈴木 保巳 Nagasaki University, 教育学部, 准教授 (90315565)
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Keywords | 生体現象 / 運動機能計測 / 重症心身障害児 / 発達支援 / 発達障害児 / ミラーニューロンシステム |
Research Abstract |
1.生体現象による発達障害児の運動機能計測法の提案・開発 ・生理心理学的研究方略に依拠している発達障害領域の専門研究者と連携して、生体現象による運動機能計測を発達・生活支援現場で実施するための必要条件を検討し、療育や自立活動等の臨床場面で脳電位や筋電位の計測を可能にするポータブル計測機器を導入した。 ・発達・生活支援の効率性を考慮し、測定・解析結果を障害特性・支援効果の評価情報として支援現場に迅速にフィードバックする方式を志向することを確認した。 ・従前より測定してきた行動反応の乏しい重症心身障害児の脳波基礎律動の短時間記録を解析し、1)発現している行動が反射的なものではなく子どもの自発意図に基づいた運動であること、2)発達に伴い運動が自動化すること、などを定量的に示した。これを運動発達の根拠として親や支援者ヘフィードバックすることで療育促進に有効な情報となることを示唆した。 ・以上より、生体現象による運動機能計測が障害児の発達診断と発達支援効果の評価に有効であることを確認し、軽度及び広汎性発達障害、知的障害の子ども達への適用の端緒を開いた。 2.発達障害児の運動機能計測に適した測定課題の検討 ・連携研究者と協議の結果、こども自身の動作時、他人の動作模倣時と観察時に同様に機能するミラーニューロンシステムを標的とした脳波測定パラダイム等の有効性が確認された。しかし実際の測定にあたって、どのような動作・動作模倣・観察課題が生活・発達支援の現場で利用可能な運動機能評価情報を供与できるかについて平成21年度も引き続き検討する。
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Research Products
(1 results)