2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20654001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金銅 誠之 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 兵衛 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (90362227)
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Keywords | 代数幾何学 / エンリケス曲面 / Coble曲面 / 頂点作用素代数 / 有限単純群 / 岩堀ヘッケ代数 |
Research Abstract |
1. エンリケス曲面の退化として現れるCoble曲面と呼ばれる代数曲面のモジュライ空間は9次元IV型有界対称領域の算術商として表せる。今年度はBorcherds理論を用いてこの有界対称領域上の保型形式を構成した。ここには2元体上の10次元の偶2次形式の直行群である有限単純群0(10,F_2)が作用しているが、これがGreissが構成したE_8型ルート格子に付随した頂点作用素代数と関係していることを見いだした(申請計画の段階ではエンリケス曲面が対応していると予測していたが、Coble曲面を考える方がより自然であった)。頂点作用素代数のヴィラソロフレームと保型形式が1対1に形式的に出は有るが対応している。Coble曲面は射影平面の特殊な10点と考えることができるが、構成した保型形式をこの10点を使って幾何学的に意味付けることが当面の課題である。 2. 標数3,Artin不変量が1の超特異K3曲面はFermat型4次曲面でもあり著しい性質を持っている研究対象であるが、有限群論と密接な関係のあるLeech格子の観点から、この曲面の幾何学的構成を行った。残された課題は、この幾何学的構成を用いて、自己同型群を記述することである。 3. 岩堀ヘッケ代数のスペヒト加群の既約性を与える条件を一般線型量子群のDe-Visscher Donkinにより与えられた多項式表現の圏における傾斜加群が射影加群に条件と直既約入射的加群から同じウェイトで添字付けらえる余標準加群への全射を与える条件から導き出されることを示した。
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Research Products
(7 results)