2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20654005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 孝男 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00182444)
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Keywords | リッチ流 / 収束理論 |
Research Abstract |
初年度の研究において、Miles Simon氏のほとんど非負のリッチ曲率をもつ3次元多様体の、リッチ流のもとでの断面曲率の絶対値評価に関する結果を、Shi 氏の曲率テンソルの微分評価の手法等と共に見直すことによって、Simon評価を一般次元の断面曲率が下に有界な多様体に拡張することを目指したが、残念ながらまだ糸口が掴めていないのが現状である。現在テストケースとして、絶対全曲率が一様に有界な曲面のリッチ流のもとでの曲率の絶対値評価に挑戦している。曲率ポテンシャルを有効に用いて、微小時間経過後の曲面族のコンパクト化に現れる特異曲面には特異点が有限個しか現れないことが証明できるのではないかと様々な角度から突破口を探っている。これに関連して、12月に台湾で開催されたRim-Pacific Geometry Conference において、R.Shoen 氏とリッチ流研究の現状について討論した。また、MilesSimon氏のほとんど非負のリッチ曲率をもつ3次元多様体のリッチ流のもとでの計量の正則性の結果をスペクトル逆問題に適用して、ほとんど非負のリッチ曲率をもつ3次元多様体のスペクトル逆問題のグロモフ・ハウスドルフ距離に関する安定性を証明する可能性が出てきた。これについては、代表者とYaloslav Kurylev, Matti Lassas 両氏との、2009年3月における筑波大学における共同研究がこの問題に着目する契機を与えてくれた。
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