2009 Fiscal Year Annual Research Report
接触構造と横断するケーラー幾何とAdS/CFT対応
Project/Area Number |
20654007
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二木 昭人 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (90143247)
|
Keywords | ケーラー・アインシュタイン計量 / AdS-CFT対応 / トーリック多様体 / 佐々木多様体 / リッチ・ソリトン |
Research Abstract |
漸近的Chow半安定性に対する障害があるチャーン・サイモンス型の積分不変量により与えられる.一方トーリックFano多様体において,Chow半安定性はモーメントポリトープの整数点の平均とポリトープの重心との差が同じかどうかで判定されることが小野肇により示されている.これと類似の判定法が最近シンプレクティックトポロジーの別の問題でも見出されている.これはハミルトン微分同相群の基本群を調べる問題と,モメント写像の1点の逆像をラグランジュトーラスと見たとき,ハミルトンイソトピーで外せるかどうかという問題と密接に関係している.ある汎関数をハミルトン関数に制限したものとマスロフ指数の差を取ったものは二木不変量と同じであることがShelukhinにより示されている.一方,前者はモーメント像の1点とみなすことができ,この点の逆像のみがハミルトンイソトピーで外れず,この点以外の逆像はすべて外れると予想さえれている.この問題に対するアプローチとして,Entov-Polterivichによるスペクトラル不変量を用いる方法,深谷・Oh・太田・小野によるフレアーコホモロジーを使う方法,McDuffによるprobeを使う方法などがある.これらの手法の中で,ケーラー幾何で築き上げられた手法との関連につき,萌芽的知見を得た.また,Bakry-Emery幾何のFano多様体への応用としてFano多様体の反標準類に属するケーラー計量の直径の下からの評価を得た.
|