2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子ジャンプによる誤りを考慮した量子符号の組合せ論的構成法
Project/Area Number |
20654012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神保 雅一 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50103049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城本 啓介 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (00343666)
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Keywords | 量子ジャンプ符号 / 量子符号 / 組合せデザイン / t-SEED / 5-design / disjoint |
Research Abstract |
Bethらの量子ジャンプ符号は量子の自然減衰によって起こる量子ジャンプがもたらす記憶誤りを訂正するために導入された.量子ジャンプ符号は,t-SEED (t-spontaneous emission error design)と呼ばれる組合せ構造を構成することにより得られることが知られている. 平成20年度は,量子ジャンプ符号の様々な構成法について,下記の研究成果を得た,(i)有限アフィン幾何を用いる方法:有限アフィン幾何,特に位数が2の有限アフィン幾何の平面の集合は3-designをなすことが古くから知られているが,そのブロック集合を複数の部分集合に分割することにより,複数の2-designに分割されることを示し,さらに,有限アフィン幾何の平面の集合をdisjointな集合に置換する変換を見出すことにより,3-designのdisjointな集合を複数作ることができる条件を調べた.この結果,複数の3-designを生成し,それらを2-designに分割することにより,3-SEED, 2-SEEDが構成できることを示した.(ii)直交配列を用いる方法:直交配列の中で線形直交配列と呼ばれるものに注目し,その剰余類を生成することにより,t-SEEDが生成できることを示した. (iv)disjointな5-designを構成する手法:長さ24のGolay符号の最小重みの符号語の集合は5-designをなすことはよく知られているが,それらと同型でdisjointな5-designを作る理論的手法はこれまで知られていなかった.本研究では,そのような複数のdisjointな5-designの構成法を見出した. 上記の研究成果は論文としてまとめており,(iv)はすでに掲載予定である.
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