2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20654015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉本 充 Nagoya University, 多元数理科学研究科, 教授 (60196756)
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Keywords | 擬微分作用素 / モジュレーション空間 / 特異積分作用素 / 正準変換 / 比較原理 / 定量的解析 |
Research Abstract |
この研究は、正準変換と比較原理という二つの手法を駆使して、偏微分方程式の様々な定量的解析を目指すものである。特にこの研究においては、モジュレーション空間を用いた定量的解析も模索している。既存のLp-空間の代用としてこの新しい関数空間を用いることは、非常に萌芽的な試みである。そこで本年度は、まずは連携研究者である冨田直人(大阪大学)氏と共にモジュレーション空間論の基礎研究を行い、以下の所定の成果をおさめることができた。 1. Riesz変換がモジュレーション空間で有界であるための指数の関係を決定した。この指数の関係はLp-空間におけるHardy-Littlewood-Sobolevの結果との類似点と相異点を併せ持つものとなっており、モジュレーション空間とLp-空間との関係をあらわす一つの指標ともなっている。この成果はMathematische Nachrichiten誌に掲載され、同誌において「Editor's Choice」にも選ばれた。 2.擬微分作用素がモジュレーション空間で有界となるための、シンボルクラスの十分性について考察した。さらにその必要性についても、一部の場合において反例の構成をもって証明した。この反例は、同時に「Calderon-Zygmund作用素はモジュレーション空間で有界であるか?」という基本的な問題に対して否定的な解決を与えたものとなっている。この成果は、The Journal of Fourier Analysis and Applications誌に掲載された。
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Research Products
(3 results)