2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子液体におけるバルクーエッジ対応とエンタングルメントエントロピー
Project/Area Number |
20654034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
初貝 安弘 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80218495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 勲 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任助教 (20422339)
有川 晃弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 研究員 (60402814)
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Keywords | エンタングルメント / エントロピー / エッジ状態 / トポロジカル秩序 / 量子液体 / バルクエッジ対応 / グラフェン / スピ液体 |
Research Abstract |
「量子液体相」をその基底状態とすると考えられる種々の物理系をとりあげ、その基底状態を数値的に厳密対角化の手法でもとめ、後述の手法でエンタングルメントエントロピーを評価することで、量子液体相の特徴付けを行った。また幾つかの可解模型に関して数値計算によらずエンタングルメントエントロピーを解析的に求めることも試みた。 具体的手続きとしては種々の量子液体相をその基底状態とする模型ハミルトニアンを用い、多粒子状態の基底状態を数値的に求める。その際物理系を2つに何らかの意味で分割しておく。よってその基底状態は部分系での基底を用いて展開される。これから基底状態の密度行列(純粋状態)を標準的に定義し、それを部分系の1つの部分系について縮約することで密度行列をもとめた。一般にこれは混合状態にありその量子論的エントロピーとしてエンタングルメントエントロピーをもってエンタングルメントエントロピーとする。この手続きを種々の量子液体相に対して数値的手法をもちいつつ具体的に適用し、対称性の破れを伴わない量子相の特徴付けの一般論を構築することを目指した。具体的に対象とする物理系としては本年度はグラフェンとリング交換模型における量子スピン系を取り上げ、エンタングルメントエントロピーを求め、他の物理量との関連を明らかとした。また一般化されたKennedytripletとしての量子スピン系におけるエッジ状態とここでのエンタングルメントエントロピーとの関連を明らかとした。
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