2010 Fiscal Year Annual Research Report
連成解析を用いた流体音源を持つエアリード楽器の研究
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20654035
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 公也 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (70188001)
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Keywords | エアリード楽器 / 流体音 / LES |
Research Abstract |
平成22年度は、OpenCFD社が開発したOpenFOAMの圧縮性LESソルバーを用い以下の研究課題を実施した。 1.エアリード楽器の音源となるエッジトーンの2次元および3次元モデルの計算を行い、Lighthillの音源とHoweの渦音源の比較を行った。その結果、2次元と3次元の間には大きな差異は見られなかった。しかし、Lighthillの音源とHoweの渦音源には、定性的にも定量的にも大きな差があることがわかった。理論的な解析により、それらの音源分布の特徴は、流れの形状(例えば、振動するジェットであるか巻き上がった渦であるか)に依存し、それらの間の違いの特徴付けが可能であることがわかった。 2.上記の結果を踏まえ、流体音源から遠方音場の再現に必要な連成解析に、LighthillとHoweのどちらの理論を用いるのが最適かを検討した。その結果、線形のGreen関数理論が適用できるLighthillの理論が最適であるとの結論に至った。 3.2次元および3次元の小型エアリード楽器の計算を行い、それらの発振状態を比較検討した。その結果、発振周波数に関しては、大きな違いは見られなかったが、ジェットがエッジに衝突して出来る渦には大きな違いが見られた。2次元モデルでは、強い渦が長時間減衰しないで存在するのに対し、3次元モデルでは、渦が崩壊し乱流状態になるのが見られた。3次元モデルの方が、実験で見られる現象に近い。2次元と3次元の違いの解析は今後の研究課題である。 4.楽器の音程変化を可能とする簡単なモデルとして、管体長を変化させる手法を開発し(移動境界問題)、楽器の音程を変化させることに成功した。
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