2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス表面に吸着したアルカリ原子の光誘起脱離現象の解明とその応用
Project/Area Number |
20654037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
畠山 温 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (70345073)
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Keywords | 表面 / 光誘起原子脱離 / アルカリ原子 |
Research Abstract |
本年度はまず,アルカリ原子のガラス基板からの光誘起原子脱離実験を行うための超高真空チェンバーを作成し,それを用いて光脱離原子を観測するテスト実験を行った。 【作成した真空チェンバーの仕様】 真空チェンバーの真空度は,残留ガスの表面への堆積を抑えるため10^<-8> Pa台の前半をめざしたが, 1x10^<-7> Paにとどまっているので今後の改良が必要である。この真空チェンバーにガラス基板試料を導入してさらに温度制御するために,液体窒素温度から1000 K程度まで温度を変えることができる試料ホルダーを作成した。そこに取り付けられたガラス基板に,通電加熱してアルカリを真空中に放出するアルカリディスペンサーを用いてアルカリ原子を吸着させることができる。試料ホルダーは,位置が変えられるように回転ステージやXYZステージに装着されている。吸着させる際にはガラス基板をディスペンサーに近づけ,脱離を観測する際には向きを変えて光の入射窓と質量分析器方面に向けた上で脱離を観測できる。基板以外からの脱離原子をなるべく観測しないように,原子を捕集する領域を制限するための筒を質量分析器の入射口に取り付けた。当初計画していた試料交換室は,検討の結果設けないことにした。 【観測】 石英ガラスを基板としてまず使用した。そこにアルカリ原子のルビジウムを吸着させ,紫色LED (波長365nm)の光を照射した。その時脱離が実際に起こり,それが質量分析器で観測されることが確認できた。
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Research Products
(1 results)