2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20654040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 潤 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (10200809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 陽一 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80251619)
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Keywords | トポロジー / ガラス / ヘテロジニティ / 動的不均一 / 過冷却 / ブルー相 / 高分子安定化 |
Research Abstract |
トポロジカルガラス状態における、スケールの異なるこの系を特徴付ける4つの内部自由度の運動モード、(1)分子並進拡散、(2)層状構造の周期、(3)分子配向(らせん)、(4)多層共連結構造の特徴的長さに着目して、各スケールの運動とトポロジカルガラス状態との関係を明らかにした。 I.凍結モード((3)、(4))の空間・時間スペクトルの測定 A.動的光散乱法(モード(3)(4))動的光散乱法では高温側で、高周波側に(3)のモードが、低周波側に(4)のモードが存在し互いに独立に運動している。トポロジカルガラス転移点近傍で、2つのモードは互いに結合し始め緩和時間が広がっている。本年度は、この結合の様子をさらに詳細に測定した。結果を現在解析中である。B.粘弾性測定(モード(4))過冷却相とガラス相を見分けるため、高感度低周波粘弾性装置を用いて、トポロジカルガラス状態の力学的性質を測定した。 II.凍結されないモード((1)、(2))の測定 C.X線測定(モード(2))降温過程で過冷却状態にある場合も、昇温過程で低温側のスメクティック液晶相となっている場合でも、層状構造の周期は可逆的に変化する。つまり層状構造の周期はトポロジカルなガラス状態においても自由に変化することができ、常に熱平衡に保たれている。本年度はダイマー濃度依存性、冷却速度依存性を詳細に測定した。D.蛍光退色回復法(モード(1))バルクの液体のガラス化では、結晶化に伴う分子の並進拡散運動が凍結してガラス化が起こる。しかしながら、本研究におけるトポロジカルガラスでは低温側は液晶相であり、結晶化温度はさらに40〜50℃も低温側にあるので、トポロジカルガラス転移点以下においても分子の並進運動が凍結する起源はない。そこで、分子の並進拡散運動の状態を蛍光退色回復法の装置を構築し、4つ目の運動モードとして観測できるようにした。
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Research Products
(17 results)