2008 Fiscal Year Annual Research Report
海洋表層の物理環境と植物プランクトンおよびその雲形成への影響解明
Project/Area Number |
20654044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
花輪 公雄 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (40142921)
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Keywords | 地球温暖化 / クロロフィルa / 雲量 / 海面水温 / 植物プランクトン |
Research Abstract |
本年度は本課題の最初の年度であり, 以下の項目について研究を行った. (1) 解析データセットの整備 本研究で用いる雲量, クロロフィルa(Ch1-a), 水温などのデータセットを収集した. 雲量や水温は, データセット間で値が異なるので, 複数のデータセットを収集している. (2) 水温と雲量, およびCh1-a濃度の関係解明 手始めに, 全球の年平均海面水温, 雲量, Ch1-a総量との関係を考察した。その結果, いずれの変数も, 短周期の変動を伴いながらも, 近年になるほど上昇する傾向を示していることが分かった. これは, 地球温暖化に伴う海面水温の上昇と雲量の増加, さらに植物プランクトンの増加の現れである. 次に, 全球の海洋を, 赤道域(赤道を挟む南北10度まで), 中緯度(南北10度から35度まで), 高緯度(35度から極まで)に分け, さらに, 季節平均値で解析したところ, 各海域で海面水温と雲量, およびCh1-aが, それぞれ異なる関係を示すことが分かった. また, 季節変化成分を除去し, 偏差に対して解析を行ったところ, 北半球中・高緯度ではCh1-aと雲量が有意な正相関を示すのに対し, 赤道域や南半球中・高緯度では, 有意な相関が無いことが分かった.
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