2008 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧マイクロ波プラズマによる自動車エンジン燃焼改善
Project/Area Number |
20654056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 浩一 Nagoya University, 工学研究科, 准教授 (50235248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕二 イマジニアリング株式会社, 研究開発部, 代表取締役 (10212789)
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Keywords | 大気圧プラズマ / 燃焼改善 / 自動車エンジン / パルスプラズマ / マイクロ波 / 発光分光 / 励起温度 / 回転温度 |
Research Abstract |
プラズマから放射される発光を分光計測したところ,マイクロ波アンテナ起源の金属原子の発光スペクトル,および,放電ガスおよび不純物起源の2原子分子からのバンドスペクトルが見られた。金属原子の発光スペクトル分布からプラズマの励起温度を評価したところ,空気放電では6000K程度の値が得られた。また,2原子分子のバンドスペクトルに基づき,空気放電中の窒素分子の回転温度を評価したところ,励起温度と同じ6000K程度の値が得られ,空気放電は熱平衡プラズマに近いことが確かめられた。 当初の研究計画に従い,パルス放電におけるプラズマパラメータの時間変化を調べた。パルス化された空気放電の初期(放電開始後20ms未満の時間帯)において,窒素分子の回転温度と振動温度の間に非平衡性が見られた。パルス放電の初期において非平衡プラズマが得られる可能性があることがわかった。 ヘリウム放電を生成し,不純物起源のOHラジカルの回転温度を調べたところ,1000Kと低いことがわかった。また,不純物起源のH原子のバルマーベータ線のシュタルク広がりからプラズマの電子密度を評価したところ,2×10^<14>cm^<-3>程度の値が得られた。この電子密度は1000Kの熱平衡条件でサハ方程式より評価される電子密度より桁違いに高く,ヘリウムプラズマは非平衡プラズマであることがわかった。ヘリウムに水素を1.3%混入すると,プラズマが著しく熱平衡状態に近付くことが見出された。 プラズマの電子温度を直接計測するためのレーザートムソン散乱計測の準備を開始した。
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