2008 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性ビスシリルシクロプロパンを用いるキラルメソポーラス有機シリカの合成
Project/Area Number |
20655006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤村 正也 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (40202105)
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Keywords | 多孔性物質 / 有機シリカ / 光学活性 / シクロプロパン / 銅触媒 / ジボロン / ホスフィン配位子 / アリルアルコール |
Research Abstract |
本研究は不斉銅触媒によりケイ素置換アリルアルコールの炭酸エステル誘導体とジボロン誘導体からケイ素-ホウ素二官能性光学活性シクロプロパンを高選択的に合成し、これを、光学活性trans-1,2-ビス(トリアルコキシシリル)シクロプロパンに誘導した後、これを原料としてキラルな細孔壁を持つメソポーラス有機シリカを合成することを目的としている。細孔壁構造体にキラル要素を含むメソポーラス有機シリカはこれまで合成されていない。 当該年度の研究により、銅(I)アルコキシドと光学活性2座ホスフィン配位子(R,R)-Quin oxP*から調製される錯体を触媒として、ケイ素置換アリル炭酸エステルとビスピナコラートジボロンから光学活性trans-1-シリル-2-ボリルシクロプロパンを高収率高立体選択的に得ることに成功した。これをキラルメソポーラス有機シリカの合成に応用するために、ケイ素置換基としてトリアルコキシシリル基を有する基質の反応を検討したが、これまで用いた触媒、反応条件下では望みの反応は進行しなかった。現在、新しい触媒および反応条件の探索を行っている。 またビスピナコラートジボロンに変わる反応基質として、ジシラン類やシリルボラン類の反応性についても検討を加えたが、銅触媒を用いる条件ではジボロンの反応に対応するシクロプロパン型化合物を得ることには成功していない。現在、他の金属を含む触媒系に拡張して研究を実施している。
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Research Products
(2 results)