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2009 Fiscal Year Annual Research Report

非線形分子分光技術を用いた細胞イメージングシステムの開発

Research Project

Project/Area Number 20655013
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

中林 孝和  Hokkaido University, 電子科学研究所, 准教授 (30311195)

Keywords非線形分光 / フェムト秒レーザー / 和周波発生 / FAD / 細胞内環境
Research Abstract

フェムト秒レーザーを用いた非線形分光法と顕微鏡による細胞観測技術とを組合せた細胞イメージングシステムを開発することを目的とする。平成21年度は、昨年度製作したシステムを用いて和周波発生法によるイメージング測定について検討した。現有のフェムト秒チタンサフアィアレーザーからの出力光を2つに分け、片方はフォトニック結晶ファイバーに導入し、白色光パルスを発生させる。もう片方のビームは和周波光を発生させるためのゲート光とする。F値がより高い分光器に検出系を変更したが、十分な和周波光強度は得られてはいない。パルス幅を先鋭化させることによって非線形信号が増加することから、フェムト秒パルスを分散補償させることによって、和周波光の強度を増加させることを行っている。非線形分光法を用いることによって、生体内にはじめから存在するクロモフォアであるNADHやFADなどの補因子の検出を行い、無染色の細胞イメージング測定が可能となる。これらの補因子の電子状態と細胞内環境との対応関係を調べるために、FADおよびNADHの吸収・蛍光スペクトルおよびナノ秒からフェムト秒に渡る光励起ダイナミクスの媒質依存性について検討した。FADはアデニン基とイソアロキサジン基の2つの芳香族環を持ち、2つの芳香族環が離れたOpen formと2つの芳香族環が近接したStacked formの2つのコンフォマーを持つ。水溶液中でStacked formが支配的であるが、媒質の誘電率が低下するにつれて、Stacked formの分布数が減少し、Open formの分布数が増加することがわかった。またフェムト秒時間分解蛍光分光法から、Stacked formの2つの芳香族環の距離が誘電率の減少に伴い増加することがわかった。これらの結果は、Open formとStacked formの分布数比およびStacked formの分子構造を調べることによって、細胞内の誘電的環境が求められることを示唆する。このような構造変化について非線形分光法からも検討を行い、細胞内の誘電的環境を調べる有力な手法となるのか検討を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010 2009

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 細胞内自家蛍光成分の光励起ダイナミクスの解明(2):FADのフェムト秒-ナノ秒領域の蛍光ダイナミクスのアルコール濃度依存性2010

    • Author(s)
      中林孝和
    • Organizer
      日本化学会第90春季年会
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      2010-03-26
  • [Presentation] 細胞内自家蛍光成分の光励起ダイナミクスの解明(1):水溶液中におけるFADとNADHのフェムト秒-ナノ秒ダイナミクス2009

    • Author(s)
      中林孝和
    • Organizer
      第3回分子科学討論会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2009-09-21

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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