2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20655017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
西村 勝之 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 准教授 (00334631)
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Keywords | 固体NMR / 開発 / プローブ / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本研究では、膜タンパク質の生理条件下で与えられるイオン性分子の脂質膜を介した濃度勾配に伴う膜電位をNMR測定で再現するための固体NMRプローブの開発、さらに、本プローブを用いて磁場配向脂質に結合した膜タンパク質の電圧印加状態の有無による分子レベルで部位特異的変化の検討を研究目的としている。 本年度は溶液NMR用ナローボア9.4T超伝導マグネットに設置可能な、静止試料用プローブを完成および電圧印加機構の組み込みまでを目標とした。精密な温度調節を達成するために、バリアン社の溶液NMR用コントローラーを用いて行えるよう、バリアン社の規格に合わせ、非磁性ヒーター、熱電対を独自設計のガラスデュアーに組み込み、精密温度調節機構を達成した。プローブ回路はコイル内に電極を挿入するため、^1H核側での著しい効率低下が予測された。これを回避するために^1H核のみ平衡回路型の1コイルH-X二重共鳴型回路の設計を行った。設計した回路を組み込み、従来型の回路との性能比較を行った。また、薄ガラスプレートを用いてガラスセルを自作し、水和脂質膜試料を封入して、プローブ外で電圧印加テストを行った。得られた実験条件に基づき、適切な容量の一体型の石英ガラスセルを設計し、ガラスセルの完成まで達成した。 これと同時に測定対象としている膜タンパク質の試料条件の検討を行った。試料条件、膜表在性タンパク質の脂質膜表面上での局率依存性等について研究を行い、さらに室温領域、自発磁場配向するバイセルの新規の試料調製法の検討を行い、配向性の向上を図った。 さらに、配向条件下の脂質膜試料を対象とした新規の分極移動法の検討も行った。
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