2009 Fiscal Year Annual Research Report
架橋構造糖を用いたウルトラ高選択的グリコシル化反応の開発
Project/Area Number |
20655021
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 英俊 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 教授 (90200732)
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Keywords | 合成化学 / 糖 |
Research Abstract |
糖鎖合成などを目的に,グリコシル化反応を起こしやすいarmed糖供与体を用いた立体選択的なグリコシル化反応が求められている。しかし,armed糖供与体を用いた既知反応は,選択性においてまだ完全ではない。本研究では,極めて高い(ウルトラ高)立体選択性を示し,かつ反応性の高い(armed)糖供与体の設計を目的とした。選択性の発現,並びに,armed糖とする事を同時に満たす要因として,架橋構造による糖の環立体配座制御を用いる点が特色である。 2008年度は,本反応のo-キシリレン基架橋を有する糖供与体を用いたβ選択的グリコシル化反応の最適化が完了した。2009年度は,1.本反応の反応機構を詳細に明らかにすることができた。すなわち,活性化段階とβ体への異性化段階で,異なる化学種が働いており,それぞれの段階の活性化学種の正体を明らかにした。2.β選択的ガラクトシル化反応への展開:ガラクトースの3, 6位水酸基を架橋しても,同様のβ選択性が発現することを実験で確認できた。3.架橋基の変化:これまでo-キシリレン基のみを架橋基として用いてきたが,2, 3-ナフタレンビス(メチレン)基や,(Z)-ブテニレン基を架橋とした糖供与体を合成し,その反応を確認した。
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