2008 Fiscal Year Annual Research Report
高効率結合生成反応を鍵反応とする新規人工核酸の創製
Project/Area Number |
20655026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
磯部 寛之 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (30302805)
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Keywords | 人工核酸 / クリック化学 / 付加環化反応 / 固相合成 / 高効率合成 / 二重らせん |
Research Abstract |
本研究は, 核酸伸長反応に官能基許容性に優れた結合生成反応を利用することで, さまざまな核酸複合体の合成を可能とする合成手法の開発を目的とする. 本申請課題は, 超分子構造構築のための新しい人工核酸の創出という構想のなかで, 最も基本となる合成手法の確立を目指した萌芽的研究という位置づけになる. 萌芽研究の2年の研究期間内では, (1) 合成手法の確立と(2) 天然核酸に対する錯形成能力の評価までを行う予定としている. 本年度は, クリック化学のうち最も汎用されている銅(I) 触媒存在下でのアジドとアセチレンの[3+2]付加環化反応(触媒的Huisgen反応)を利用した合成手法の開拓を行った. この検討では, 天然型ヌクレオシドを出発原料とすることで, 安価かっ簡便に単量体を合成可能とすることができた. 具体的には, (1) チミジン型単量体の合成手法, (2) チミジン型単量体の固相での多量化反応を検討し, いずれも良好な結果が得られることを見いだした. チミジン型単量体の固相上での多量化反応は本申請課題の戦略のうちもっとも根本となる段階であり, かつ最も困難が予想される段階であった. この検討では, 最適な固相担体の選別, 溶媒・反応温度などの条件の選別により, マイクロ波を用いた固相上でのクリック多量化反応を実現した. さらに, 研究が予想以上に順調に進展したことを受け, 天然型DNAとの錯形成の検討を行い, 安定性の高い二重らせんが形成されることを見いだした. また, 関連する研究として固相合成法の最適化を目指したナノカーボン固相担体化の検討を進めた.
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Research Products
(4 results)