2008 Fiscal Year Annual Research Report
スターバースト型ペプチドの不斉有機ゼオライトならびに集積型有機触媒への展開
Project/Area Number |
20655029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 健二 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (40225503)
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Keywords | 超分子化学 / 分子認識 / ペプチド / 水素結合 / 有機ゼオライト / 有機触媒 |
Research Abstract |
本研究では、ヘキサフェニルベンゼンC_6(C_6H_4-X-p)_6の6カ所末端にペプチドを配したスターバースト型ペプチドを合成し、水素結合に基づく分子自己集合を行い結晶化させ、不斉チャンネル構造を有する不斉有機ゼオライトを構築することを目的とした。ペプチドは光学活性なアミノ酸の様々な重合度と配列順序の組合せが可能なため、本系は多様な空孔サイズや多様な機能を有する不斉チャンネル構造を提供すると考えられる。 平成20年度は、各種スターバースト型ペプチドの合成を達成した。カルボキシル基を有するヘキサフェニルベンゼンHost-(CO_2H)_6とアミノ基を有するヘキサフェニルベンゼンHost-(NH_2)_6にL-アラニン(Ala)とL-バリン(Val)を縮合付与したHost-(CO_2-Ala)_6、Host-(CO_2-Val)_6、Host-(CO_2-Ala-Val)_6、Host-(CO_2-Val-Ala)_6、Host-(NH-Ala)_6、Host-(NH-Val)_6、Host-(NH-Ala-Val)_6、Host-(NH-Val-Ala)_6の計8種類のスターバースト型ペプチドの合成に成功した。 Host-(NH-Ala)_6、Host-(NH-Val)_6に関しては、単結晶化とX線結晶構造解析に成功し、それぞれアミド基間で分子間水素結合することにより多孔性3次元水素結合ネットワークを形成し、不斉のチャンネル構造を有することがわかった。不斉チャンネルには単結晶化の際に用いる再結晶溶媒が包接されていた。 平成21年度は、他の6種類のスターバースト型ペプチドの単結晶化を引き続き試みると同時に、単結晶X線結晶構造解析に成功した2種に関しては、不斉有機ゼオライト能を精査する。また、L-プロリンを縮合付与したHost-(NH-Pro)_6を合成し、不斉有機ゼオライト能ならびに不斉有機触媒能を精査する。
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