2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現の時空間制御を目的とした外部刺激応答性スイッチの開発
Project/Area Number |
20655038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小比賀 聡 Osaka University, 薬学研究科, 教授 (80243252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 哲也 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00432443)
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Keywords | 分子スイッチ / 人工核酸 / 光感受性 / レドックス / 機能性RNA / 遣伝子制御 |
Research Abstract |
遺伝子発現のON/OFFを制御するシステム構築目指し、遺伝子発現のタイミングを決めることが出来る遺伝子スイッチ(外部刺激応答性人工核酸モノマー)の開発について検討し、以下の成果を得た。 まず、酸化還元状態の変化を外部刺激として動作する遺伝子スイッチ本体としてジスルフィド結合を有する人工核酸を設計し、H20年度に設定した安価なD-グルコースから調製可能な4'-修飾RNA誘導体を用いることで効率的にその人工核酸モノマーの合成を達成した。さらに、その人工核酸モノマーが生体内レドックス因子であるグルタチオンや過酸化水素などに応答してそれ自身の化学構造を可逆的に変化させる事を示し、レドックススイッチとして機能することを確認した。 続いて、H20-21年度にかけて開発に成功した光応答性スイッチとレドックススイッチをDNA自動合成機によりオリゴヌクレオチドへ導入し、HPLCによる精製とMALDI-TOF-MS等の分析技術を駆使してその分子組成が正しい事を確認した。導入したスイッチ分子の核酸スイッチ機能を相補鎖核酸に対する結合親和性や核酸分解酵素耐性能等の変化で評価したところ、光応答性スイッチとして設計したスイッチ分子は5秒間の紫外線照射と生体成分グルタチオンの2成分を外部刺激としてその二重鎖形成能や酵素耐性能を2段階で調節する事が分かった。一方で、レドックススイッチとして設計したスイッチ分子もまた、各種酸化還元剤添加を外部刺激としてオリゴヌクレオチドの二重鎖形成能を大きく変化させる事を明らかとした(ΔT_m ca.15℃/mod.)。 以上のように本研究では「いつでも我々のタイミング(光刺激)で」または「生体内環境の変化(グルタチオン濃度や酸化還元電位の変化)に応じて」オリゴヌクレオチドの機能のON/OFFを制御する遺伝子スイッチの開発に成功した。遺伝子発現制御法が'遺伝子発現破壊法'である現状を'真の遺伝子発現を制御'に近づける大きな一歩である。
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Research Products
(15 results)