2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規有機アクセプター骨格を用いた超分子n型半導体と金属錯体分子デバイスの開発
Project/Area Number |
20655042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田所 誠 Tokyo University of Science, 理学部, 教授 (60249951)
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Keywords | デバイス / 超分子 / 金属錯体 / 分子性導体 / 有機アクセプター |
Research Abstract |
我々の見いだしたTANC骨格の利点は、1つのジアミノベンゼン誘導体を合成すれば、FFVに酸化してすぐにTANC骨格を高収率で大量合成することが可能である。また、TANCを作るときに用いるDCQも種々のジアミノベンゼン誘導体から合成可能である。そのため、TANCの3位、4位、5位、6位に修飾可能であるばかりではなく、原料のジアミベンゼン誘導体を選択することにより左右非対称な骨格構造も簡便に作ることが可能である。このTANCのLUMOのエネルギー準位は3位から6位に付ける置換基の性質や数によって大きくシフトし、TANCのアクセプター能を自由に変えられることをMe基の導入によって明らかにした。このTANCとCu^+イオンとの高分子錯体は1次元鎖の配位高分子が積層したシート構造を作る。この錯体は通常のCu^+イオンの錯体とは異なり、TANCのアニオンラジカルを配位子とした高分子錯体であるため、高い電気導電性をもつことが分かった。種々のMe置換型TANCを用いて新しい[Cu(Me-TAMC)]分子性導体の単結晶の作成に成功した。有機n型材料としての出環糸(共役構造の変化)を検討し、いずけもCu錯体化した高伝導性材料の合成を検討しようとした。そのため、TANCからの出環系の合成を検討した。例としてペンタセン誘導体であるBTANCの合成に成功し、その構造とともにアクセプター性能を明らかにした。また、N原子が入ることにより溶解性が増し、BTANCはクロロホルムにも溶解するようになる。さらに、DBTANCやHANCなどの新たな出環系の前駆体合成に成功し、その酸化反応を個於呂見ているところである。また、芳香族性を延長したbis-BTANcやbis-NTANCの合成・結晶化に成功した。
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