2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属窒化物のレーザー熱分解法によるメタマテリアル生成
Project/Area Number |
20655045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鱒渕 友治 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80466440)
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Keywords | 3d遷移金属窒化物 / 熱分解 / グラニュラー / 磁気抵抗 / レーザー描画 / 微細構造 / メタマテリアル |
Research Abstract |
3d遷移金属窒化物は熱準安定性であり、これをレーザー加熱すると遷移金属が析出する。析出を制御してできる遷移金属の微細な構造によって発現する性質を利用するメタマテリアルを目指して研究を進めた。平成20年度には下記のような研究実績を上げることができた。 1) Fe_<70>Co_<30>-AlNポストアニール薄膜の磁気抵抗効果 3d強磁性金属のなかで最大の磁気モーメントをもつFe_<70>Co_<30>強磁性合金に着目した。この合金ターゲットの上にAl金属チップを複数個置いた複合ターゲットを窒素雰囲気中で高周波スパッタして、ウルツ鉱型Al_<1-x>(Fe,Co)_xN窒化物固溶体薄膜を得た。これを500℃で10時間ポストアニールして、FeCo基合金微粒子がAlNマトリックス中に分散したグラニュラー薄膜を得た。複合ターゲットの面積割合とポストアニール時間を変化することによって、最大で0.65%の磁気抵抗効果を観測した。このとき膜全体で約70Ωcm程度の半導体的な電気抵抗を示し、AlNマトリックス中に平均粒子径約6nm、粒子間距離約2.5nmでFeCo基強磁性合金微粒子が分散したグラニュラー構造を確認できた。 2) 窒化コバルト薄膜へのレーザー描画による微細構造形成 高周波スパッタ析出したCoN薄膜に、波長809.1nmの半導体レーザーを真空および窒素雰囲気中で走査しながら照射した。熱拡散率の高いAlNを中間層として製膜したCoN薄膜では、レーザー照射して分解析出した金属Coが基板ガラスから剥離しなかった。また真空中に比べて熱拡散しやすい窒素雰囲気中で、またCoN薄膜が薄いほど、分解析出したコバルト金属の細線幅が微細であり、500μm程度まで微細化した。
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