2008 Fiscal Year Annual Research Report
電場環境下でのπ共役系高分子の相転移ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
20655049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅川 直紀 Osaka University, 産業科学研究所, 特任准教授 (80270924)
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Keywords | π共役系高分子 / ポリアルキルチオフェン / ポリアルキルチアゾール / 電場印加 / NMR / 相転移 / 分子ダイナミクス / 有機デバイス |
Research Abstract |
本研究は固体核磁気共鳴(NMR)緩和スペクトロスコピーによって、電場によってバイアスされたπ共役系高分子の相転移ダイナミクスを実験的に明らかにすることを目的としている。 印加される電場は、環境情報センサからの入力を想定しており、環境変化に対して柔軟に応答する脳に似たアトラクター選択デバイスへの応用を見据え、電場の変化が分子系の構造ゆらぎに与える動的な影響を実験的に評価する。より具体的には、印加電場と構造ゆらぎのスペクトル密度関数との相関を調べる。平成20年度は、電場印加条件下において有機薄膜の核磁気共鳴の観測が可能な検出器を作製することを主眼として研究を行った。具体的には、薄膜試料を設置可能なステージをテフロンによって作製し、信号検出用フラットコイルを作製した。電場印加用の電極にはステンレス板または、ガラス基板にスパッタされた約50ナノメートルの金または白金薄膜を用いた。電極/(有機薄膜+テフロンスペーサー)/電極のサンドイッチ型試料(直径5〜10ミリメートル、厚さ100マイクロメートルの円盤状試料)を用いることにより、電場強度0〜2.4MV/mの条件下での水素核の核磁気共鳴信号の観測に成功した。テスト試料として液晶分子(4-pentyl-4'-cyanobiphenyl;5CB)を用いた。今後π共役系高分子試料に対して同様の核磁気共鳴実験を行っていく予定である。本年度ではさらに、ポリアルキルチオフェンやポリアルキルチアゾールといったp型およびn型π共役系高分子の構造相転移ダイナミクスに関する研究も行い、主鎖のねじれに関する構造相転移が結晶中で起きていることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)