2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20656002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
解良 聡 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 准教授 (10334202)
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Keywords | 電荷移動度 / 有機半導体 / ホッピング伝導 / 紫外光電子分光 / 電子構造 / 再配向エネルギー |
Research Abstract |
ホッピング伝導およびバンド伝導は有機半導体薄膜における重要な電荷輸送機構であり、その中身を定量的に理解することがデバイス特性の飛躍的向上へ不可欠である。我々はグラファイト上に有機半導体分子を真空蒸着し高配向膜を作製することで、ホッピング伝導の中身である二つの物理量「再配向エネルギー」と「トランスファー積分」を求める手法を提唱した。本課題では古来の手法である紫外光電子分光法(UPS)を高度な実験技法によって新規視点で活用し、分光学的手法のみで直接、第一原理的に移動度を求める。分子本来が持ちうる個性を数値化することで、産業界へ斬新なデバイス設計指針を与えることが目的である。20年度は、ルブレン分子、フッ素置換TCNT分子、BTQBT分子などの高配向単分子膜を作製し、高分解能スペクトルを得ることに成功した。現在、得られた最高占有準位の微細振動カップリング構造から再配向エネルギーを求めるべく、データ解析をすすめている。しかし一方のトランスファー積分の評価を行うための、十分に配向した結晶膜もしくは二量体膜の形成が困難であり、移動度の総合的な議論をすることはできていない。現在、種々の条件をパラメータに試料膜作製法を模索している。また本課題の主題である電荷移動度の第一原理測定がハイライト研究として評価され、「Progress in Surface Science誌」において総説を発表した(印刷中)。
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