2008 Fiscal Year Annual Research Report
発光デバイスを用いた膜タンパク質アクティブ輸送制御
Project/Area Number |
20656003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇治原 徹 Nagoya University, 工学研究科, 准教授 (60312641)
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Keywords | 脂質二重膜 / 半導体デバイス / 相分離構造 |
Research Abstract |
本研究では、局所発光制御可能なドットマトリクス型半導体発光デバイスを用い、その上に膜タンパク質を含んだ脂質二重膜を形成することで、相分離構造(ラフト構造)を介した膜タンパク質輸送・凝集のアクティブ制御の実現を目指した。特に、本年度は半導体・生体膜ハイブリッドデバイスのプロトタイプとして、局所光照射装置の開発とそれによる相分離構造制御を最大の目的とした。 (1)局所光照射装置の開発:生体膜を形成した透明基板の裏面から、位置選択的に光照射する装置の開発を行った。当初はドットマトリクス型の発光ダイオードで作成する予定であったが、相分離構造制御を試みたところ、光強度が不十分であることが判明し、最終的には半導体レーザによる光照射システムを構築した。また、当初予定通り、ペルチエ素子により温度制御する機能も備えた。 (2)透明基板への成膜技術の確立:上述の光照射装置では透明基板を用いる必要がある。当初SiC、サファイア基板への成膜を計画したが、結果的にはガラス基板への成膜で、高品質膜の形成に成功したため、ガラス基板を用いることとした。 (3)局所光照射装置による相分離構造の制御(半導体-生体膜ハイブリッドデバイスプロトタイプ): 開発した装置を用いて、光照射実験を行ったところ、相分離構造の制御ができなかった。これは、従来の結果がシリコン基板上に対して、ガラス基板に変更したことが大きな要因と考えられる。さらに詳細をしらべたところ、膜中の脂質分子の拡散係数が小さくなっていることが明らかとなり、この解決が目標達成に必要であることがわかった。
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Research Products
(4 results)