2008 Fiscal Year Annual Research Report
高周波ナノ秒パルスレーザ照射による大口径シリコンウエハ加工変質層の完全修復
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20656023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
閻 紀旺 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40323042)
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Keywords | 半導体基板 / シリコンウエハ / 加工変質層 / レーザ / 単結晶 / 欠陥修復 / ダメージ低減 / 表面品質 |
Research Abstract |
本研究では, 加工変質層の形成された大口径Siウエハに高周波ナノ秒パルスNd : YAGレーザの連続照射を行うことで加工変質層における相変態や転位などを一括して完全な単結晶構造に修復することを研究目的とする. 平成20年度では, (1) 単発照射による加工変質層修復機構の実験検討, (2) レーザ照射修復過程の熱力学解析, (3) 深さ方向に完全単結晶が得られるための最適照射条件の調査を行った. 具体的には, (1) 単発照射による加工変質層修復機構について, 顕微レーザラマン分光光度計および透過電子顕微鏡による照射部の断面観察を行うことで, 変質層形態および照射エネルギ密度が変化したときの修復効果を確認した. (2) レーザ照射修復過程の熱力学解析について, レーザ照射による表層アモルファスSiの溶融・再結晶の過程および下層転位の移動機構を解明するために, 有限差分法を用いてSi加工変質層の解析モデルを作成し, レーザ照射によるSi表層の温度上昇・溶融・エビ成長現象のシミュレーションを行った. そして, 解析の結果と実験観察の結果と比較を行うことで, レーザ照射による変質層修復技術の熱力学理論基礎を確立させた. (3) 深さ方向に完全単結晶が得られるための最適照射条件について, 異なる深さの加工変質層に対し, レーザの波長, エネルギ密度を変化させて単発照射を行い, 深さ方向に完全な単結晶構造が得られるための最適照射条件を実験的に求めた. これらの成果は今後行う予定のウエハ全面照射条件の選択に重要指針を与えるものと考えられる.
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Research Products
(5 results)