2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面形状と光学的厚さ分布の同時測定を特徴とした波長走査干渉法に関する研究
Project/Area Number |
20656024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光石 衛 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (90183110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 直彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70372406)
日比野 謙一 産業技術総合研究所, 主任研究員 (60357845)
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Keywords | 光計測 / 表面形状 / 厚さ分布 / 位相シフト法 / 波長走査法 / マスクガラス / 非線形性 / 干渉縞解析 |
Research Abstract |
本研究では,マスクガラスや結晶等の超精密光学材料の表面形状と絶対的な光学的厚さ分布を同時に測定する新しい手法を提案する.そのために,1)波長走査干渉により,透明材料の表面形状と光学的厚さ分布を同時に測定する干渉計測法の方法を策定すること,2)位相シフト法と波長走査法を統合することにより,従来の波長走査による絶対的厚さ分布計測の分解能3umを30nmまで向上させることを目的とする. 波長走査法は,周波数解析による厚さ・形状同時測定が可能となっているが,波長走査幅の制約から測定精度が数ミクロンに止まり,ナノメートル分解能の測定には未だ発展できていない.しかしながら,研究代表者らが提案する誤差補償位相シフト技術を補完的に波長走査法に統合することで,この手法の測定精度を数十ナノメートルまで向上させる. 本年度は,初年度で測定された干渉計の非線形の性質をもとに,その補償を行うとともに,設計されたアルゴリズムにより,半導体製作に用いるマスクガラスの厚さ分布を実際に測定する実験を行い,誤差の分析と得られる測定精度の評価を行った.具体的には,波長走査干渉計によるマスクガラスの光学的厚さ分布の測定実験を行い,半導体作成に用いる6インチマスクガラス全面の厚さ分布を作成した波長走査干渉計で測定した,ナノメートル分解能を実現するためには,マスクガラスの固定方法が重要な問題であるが,厚さが5mmと薄いために,試料を保持する方法を考案した.試料においては,裏面からの圧力により容易に数百ナノメートルの弾性変形が起こる.そこで試料保持のための支持架台を製作した. また,光学的厚さ測定と同時に表面形状および裏面形状の測定を行い,厚さ分布の測定と比較して妥当性を検討した.試料内部の散乱光雑音強度や干渉縞信号の信号・ノイズ比などをシミュレーションと比較し,系統誤差の大きさを総合評価した.その結果,本手法の妥当性,性能において有効性が確認された.
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