2009 Fiscal Year Annual Research Report
高性能永久磁石薄膜マイクロアクチュエータの基礎研究
Project/Area Number |
20656029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
進士 忠彦 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 准教授 (60272720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 淳平 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (40345385)
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Keywords | 薄膜永久磁石 / ネオジム / マイクロアクチュエータ / MEMS |
Research Abstract |
半導体プロセスを用いたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)研究において,未開拓領域である高性能永久磁石薄膜を用いたマイクロアクチュエータの実現を目的とし,研究を実施した.具体的には,永久磁石薄膜として,従来にない高い保磁力と残留磁束を有するNdFeB/Ta多層膜を利用したボイスコイルモータタイプMEMSアクチュエータの提案と製造方法の検討,ならびにその性能評価を実施した. 本年度は,1)昨年度試作した片持ちはりの先端に多層膜永久磁石をスパッタで堆積し固定部の空心コイルに電流を通電することではりが変位するマイクロアクチュエータに,薄膜コイルなどを導入するなど,MEMSプロセスに適する構造に変更した.2)はり先端変位測定のため,片持ちはり根元にPt製のひずみケージを製作する手法を開発し,変位測定を実施した.3)上記の変位信号を用いてフィードバック制御することにより,高速・高精度な位置決めを実現した.4)矩形の永久磁石薄膜を,ヒンジで4方向より支持し,その下面に配置した,2個1組の空心コイルを用いて,永久磁石を面外並進・傾き方向に駆動可能な新たな2自由度アクチュエータを提案・試作した. なお,これらのアクチュエータの試作工程において,薄膜永久磁石堆積後の残留変形が問題となった.このため,Cr膜を薄膜永久磁石と貼り合わせ,残留応力を相殺する方法を提案した.単純な片持ちはりを用いた予備実験では有効性を示せたが,より構造が複雑な2自由度アクチュエータ場合は,十分な効果を示すことができず,今後の検討が必要となった.
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Research Products
(3 results)