2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体分散プラズマ流の帯電制御による細胞空間格子配列法の開発
Project/Area Number |
20656033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 岳彦 Tohoku University, 流体科学研究所, 准教授 (10302225)
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Keywords | 流体工学 / 機械力学・制御 / 生物・生体工学 / プラズマ加工 / バイオテクノロジー / 微粒子プラズマ / 帯電 / 細胞 |
Research Abstract |
本研究は,大気圧プラズマ流中に細胞を包含するナノ・マイクロスケールの液滴を分散し,その帯電量を制御することにより,細胞を空間格子構造に均一配列させる研究課題であり,革新的な遺伝子導入プロトコル創成への基礎研究と成すことを目的としている. 平成21年度は,平成20年度に液滴の空間配列の可能性を示唆する成果をえられたものの,空間中への配列に至らなかった要因を検証した.その結果,本年度は,細胞を液体培地表面に配列することを想定し,液面上に微粒子を配列する手法の開発を進めた.液面上に分散させた粒径数十μmのポリマー微粒子に,大気圧低温プラズマ流を照射し照射条件を最適化した結果,規則的に配列する微粒子列が形成される可能性があることを発見した.これは,微粒子の間隔が概ね等間隔の列を形成する現象であるが,プラズマ流の照射が無くなると同時に微粒子列は消滅することから,プラズマ流の荷電粒子による帯電と印加電圧による電場の形成ならびに液面形状の変化による流体力学的作用が相乗して生じた現象であると推察した.そこで,流体力学的作用を明らかにするために,液面の変形や気液界面現象について解析を進めた.また,微粒子を細胞に置換することも検討した.これより,プラズマ流と液面の干渉により,中心から放射状に外側に向かい流動場が形成され,同時に熱が拡散と対流で移動することが明らかになった.一方,微粒子はこれらの流れの影響を大きく受けずにプラズマ流の照射位置付近に留まることから,大気圧プラズマ流による微粒子配列の可能性が示唆された. これらの研究は,連携研究者や海外共同研究先のマックスプランク地球圏外物理研究所(ドイツ)との意見交換や共同実験を通し進めた.
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