2009 Fiscal Year Annual Research Report
導電性芯を持つ高分子繊維集積化による生体模倣型凝着デバイスの実現
Project/Area Number |
20656045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 滋規 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30313349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70153046)
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Keywords | 高分子繊維 / 生体模倣 / 静電チャック / 導電性芯 / 静電力 |
Research Abstract |
本研究では,「導電性芯を持つ高分子繊維によって実現される『マイクロ静電チャック』を集積化・構造化することによって,対象の材質・表面粗さを問わず有効に働く新しいタイプの『生体模倣型凝着デバイス』を開発すること」を目的とする.平成21年度は,前年度の研究活動において実現された「マイクロ静電チャック用高分子ファイバー」をさらに直径70マイクロメートルまで細線化したものを用いて,ヤモリの指先における微細構造と同様に(セタレベルの)集積化・構造化(具体的には斜め植毛)を行うことによって,静電力による凝着性能を発揮する生体模倣型凝着デバイスのプロトタイプを製作した.さらに凝着力計測装置を用いて,製作されたプロトタイプの性能評価を行った.凝着力計測装置は自動ステージ,ロードセル式電子天秤から構成され,凝着対象物体と凝着デバイス間に働く力およびフォースカーブ(変位-力曲線)計測を可能にするものである.計測結果と上記ファイバーの力学的振舞いに対する理論的な予測から,プロトタイプの持つ「(表面粗さの影響を吸収するために重要な指標となる)表面のコンプライアンス」を確認した.さらに,「今後,どのようにファイバー集積方法を改良すべきか」など(静電力による)最大発生凝着力を最大化するための指針を示した.
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