2010 Fiscal Year Annual Research Report
導電性芯を持つ高分子繊維集積化による生体模倣型凝着デバイスの実現
Project/Area Number |
20656045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 滋規 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30313349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70153046)
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Keywords | 高分子繊維 / 生体模倣 / 静電チャック / 導電性芯 / 静電力 |
Research Abstract |
本研究では,「導電性芯を持つ高分子繊維によって実現される『マイクロ静電チャック』を集積化・構造化することによって,対象の材質・表面粗さを問わず有効に働く新しいタイプの『生体模倣型凝着デバイス』を開発すること」を目的とする.平成22年度は,前年度の研究活動において実現された『生体模倣型凝着デバイス』としての「集積化『マイクロ静電チャック』のプロトタイプ」から得られた知見をもとに,「生体模倣型凝着デバイスの性能評価・改良」「マイクロ静電チャック用高分子繊維の改良」の2つのサブテーマを遂行した.前者においては,予め形状を作りこまれた凹凸対象面に対して,「高分子繊維を(低剛性になるように)斜めに配置した配列による『マイクロ静電チャック』」がどのような振舞いをとるか,理論的,実験的に検証を行った.この結果,凹凸のある表面に対してもデバイスが有意な静電吸着力を発揮できることを実証した.後者においては,繊維径,繊維断面における導電性部の割合,繊維剛性,繊維加工性などを検討しながら,いくつかのタイプの繊維を制作し,今後の実用化・工業化を視野に入れた研究方向性のための指針を検討した.これらの研究の結果と考察によって得られる知見から,本研究において提案されるデバイスの有効性と今後の実用化へ向けての明確な方針が得られた.
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