2009 Fiscal Year Annual Research Report
電界誘起光第二次高調波による有機FET構造素子内のキャリヤ輸送機構の評価
Project/Area Number |
20656052
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 光正 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40143664)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間中 孝彰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20323800)
|
Keywords | マックスウェル変位電流 / 光第2次高調波 / 有機FET / 有機EL / キャリア注入 / 界面双極子エネルギー |
Research Abstract |
本研究では、分子形状の特徴と界面分子膜の柔構造性を結ぶ物理の探求を可能とするMDC(マックスウェル変位電流測定)から得られる知見を活用しながら、有機材料内のキャリヤ移動を直視可能とするEFISHG(電界誘起光第2次高調波測定)を用い、フレキシブルな有機材料の独特な電子輸送を解き明かす手法を探究する。 本年度は昨年度に引き続き、顕微SHG技術により、FET動作時の電極注入界面とチャネル部に形成される電界分布の計測、及び顕微SHGによる有機FET構造体中のキャリヤ注入とEL発光現象の評価を行った。FET構造素子に関する研究では、トラップによる分極伝搬の変化について検討を行い、トラップが満たされることによる移動度の変化等について評価した。輸送過程については分布定数回路に基づく等価回路モデルにより、電荷が界面を輸送される様子について説明することができた。 一方で、EL発光現象の検討に関して、蓄積された空間電荷の効果によってキャリアが自発的に材料内に引き込まれ、蓄積キャリアと再結合して発光するといったメカニズムを発見した。また、電界とEL現象の時間変化を評価し、キャリア挙動と有機EL現象の関係も明らかにした。また、直流と交流で発光スペクトルの比較を行ったところ、交流電界下でのみ、材料固有の蛍光波長とは異なる波長域でスペクトルピークが観測され、これは電極界面での電界集中による発光がその原因と考えられる。
|
Research Products
(27 results)