2010 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜フォトトランジスタと多結晶シリコン薄膜トランジスタによる人工網膜
Project/Area Number |
20656059
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
木村 睦 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60368032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20314536)
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Keywords | 人工網膜 / 薄膜フォトトランジスタ / 多結晶シリコン / 薄膜トランジスタ / 積層構造 / フレキシブル基板 / 人工視覚 / 生体埋込 |
Research Abstract |
現在、人工網膜は、失明者に光を取り戻す手段として期待されており、LSI技術を用いた人工網膜の研究開発が進められているが、生体適合・広視野化という観点からは課題がある。一方、薄膜トランジスタ(TFT)は、フラットパネルディスプレイなどに広く用いられており、また、最近は、より高性能な低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ(poly-Si TFT)の研究開発がさかんである。そこで、本研究では、薄膜フォトトランジスタ(TFPT)とpoly-Si TFTを用いた人工網膜を提案した。生体網膜と同様に積層構造とすることで、高機能の分化・光取込面の拡大・応答高速化などが実現でき、生体に刺激の少ない材料を使用できるようになることで、失明者へのインプラントを容易にする可能性があり、さらに、眼球の曲面と合致したフレキシブル基板を使用することで、人工視覚の広視野化が可能となる。 平成22年度は、まず、前年度にひきつづいて、生体へのインプラントを想定して、人工網膜へのワイヤレス電力伝送を評価するために、インダクタカップリングによる電力伝送回路とダイオードブリッジとツェナーダイオードによる電圧安定化回路を作製し、人工網膜に接続した。伝送周波数を共振周波数とすることで、より確実なワイヤレス電力伝送が可能であることを確認した。また、やはり前年度にひきつづいて、グリーンレーザーによる2層Si同時結晶化を用いて作製した積層構造のデバイス試作を行い、十分な照度依存の出力電圧変調が実現できることを確認した。さらに、生体神経への信号電圧手段としてのActive Pixel Sensor型のパルス生成回路の設計を行った。フォトマスクまでは準備できたものの、委託試作ラインが震災で被災したため、予定よりも遅れることとなるが、今後は試作評価を行ってゆく予定である。
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Research Products
(4 results)