2009 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波エバネッセント波による波長限界を超えた高分解能計測・映像技術の創出
Project/Area Number |
20656066
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山越 芳樹 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (10174640)
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Keywords | エバネッセント波 / 計測 / イメージング / ドップラ / 比誘電率推定 |
Research Abstract |
本研究は、電磁波のエバネッセント波を媒質内部の映像化や計測のための「新たな波動」として利用するための(1)検出技術、(2)信号処理法、(3)画像処理技術を開発することを目的としている。本年度は以下の3点について検討を行った。 1. エバネッセント波反射波計測技術の提案と実験 ペットボトルキャップを介した内容物の非接触誘電率計測法として、キャップの内部に存在する空気層を利用したキャリブレーション手法を提案したが、本年度は、プローブ先端の比誘電率変化を高感度に検出するために、誘電体部を空気とした共振型同軸プローブを提案し、FDTDおよび、厳密界を用いキャップサイズに合わせた同軸プローブの内外導体の最適設計を試み、実験的に厚み1.5mm程度の通常のペットボトルキャップであれば、比誘電率30程度までの液体を誤差20%程度で推定できることを示した。 2. エバネッセント波ドップラ計測技術への展開 波長より小さい多層リングに交互に給電するinterdigital ring coupler sensorの数値解析を行い、センサーの反射係数がレイリー散乱モデルで表現できることを確認し、実験的にセンサー内を通過する微小物体の速度だけでなく、その体積も評価可能であることを示唆した。 3. エバネッセント波トモグラフィーの基礎検討 マイクロストリップ線路間のスタブの先端をニードル型としたプローブにおいて、不要放射を抑圧するために外部をシールドし、ニードル先端部に開口を設けた開口型プローブを開発した。プローブを対向させ走査することによりプローブ間にある物体の検出が可能であった。 3についての応用検討はまだ、不十分であったが、1,2に関しては、従来表面観察手法としてしか利用されてこなかった電磁波エバネッセント波を新規計測手法のための新たな波動として生かし、新たな研究分野を萌芽させる先駆けになったと考えている。
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Research Products
(6 results)