2008 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜における気液相互作用をMEMS技術で模倣した生化学式ガスセンサの創生
Project/Area Number |
20656067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
工藤 寛之 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 講師 (70329118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00205668)
宮島 久美子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (10516298)
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Keywords | ガスセンサ / バイオセンサ / マイクロシステム / ホルムアルデヒド / 光ファイバ / PDMS |
Research Abstract |
平成20年度においては、(1)表面の構造制御により鼻の粘膜構造を模倣した湿潤型のマイクロデバイスを実現する、(2)デバイスの開口部における気液界面での相互作用(液相部分への微粒子やガス分子の取り込み)を評価する、(3)取り込んだガス成分を光学的に簡易計測する手法の確立、の3つについて検討を行った。(1)、(2)の具体的な検討内容として、ポリジメチルシロキサン製の疎水性マイクロピラーを配列することにより気液層流を形成する新規流体デバイスを開発した。本デバイスでは気体用のマイクロチャネルと液体用のマイクロチャネルが隣接し、直接気液が接触する開口部を設けることで、液体が気体用の流路に漏れることなく気相中の化学成分(酸素)を効率的に液相の流路に取り込むことが可能であった。一方、気相成分を高選択的に計測する光ファイバ型デバイスとして、高輝度UV-LED光源及び光電子増倍管を接続した光ファイバプローブにホルムアルデヒド脱水素酵素を固定化することで、気相中のホルムアルデヒドを高感度・高選択的に計測する生化学式ガスセンサを開発し、30ppb程度の低濃度ホルムアルデヒドに対し選択的なモニタリングを可能とした。これは、本研究計画で検討している湿潤型のデバイスの基礎となるもので、各種の環境計測用バイオセンシングシステムにきわめて有効である。 また、発展的な研究フェーズとして、本研究計画の終了後に基盤研究等へ移行し、マルチアレイ化による多成分同時計測への対応や、開口部の温度制御(及び信号の温度補償)などデバイスの完成度を向上させる取り組みを計画している。
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