2009 Fiscal Year Annual Research Report
新技術・ノイズ拡散抑制法を用いた"SQUID代替"磁気光学・磁界センサの開発
Project/Area Number |
20656068
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 智章 東京工業大学, 統合研究院, 特任教授 (50456258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 宏一郎 岩手大学, 工学部・電気電子・情報システム工学科, 准教授 (60277233)
半田 宏 東京工業大学, 統合研究院, 教授 (80107432)
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Keywords | 磁界センサ / SQUID代替 / ガーネット膜 / ファラデー回転 / ノイズ帯域拡散 |
Research Abstract |
本研究の目的は、雑音を広い帯域に周波数拡散することによって低減させる「ノイズ拡散抑制法」と「磁気光学ファラデー効果」を用いた超高感度磁界センサを開発し、SQUIDを代替できる超高感度な磁界計測および心磁計測に活用できることを検証することにある。本年度は、昨年作製したBi置換ガーネット膜と波長850nmのLEDを用いた磁界検出装置を用いて、光源強度を擬似ランダムM系列符号で変調し、フォトダイオードで得られた出力信号をM系列符号との相関を取って復調することによってノイズの抑制効果を検証する実験を行った。その結果、理論的に予測されるとおり、ノイズは拡散符号の帯域幅と信号帯域幅の比の平方根に比例して減衰することが分かった。しかし、ガーネット膜を振幅10G程度、周波数5kHz程度の交流磁界で常にシェイキングしないと、出力が不安定になることが分かった。これは、ガーネット膜の磁壁のピン止め効果の影響であると考えられる。これを解決するには、ガーネット膜の特性を向上させる必要があり、本研究期間内に達成することは無理であることが分かった。そこで、当初の研究計画には含まれていなかったが、MRセンサを用いて、駆動電流をM系列符号で変調してノイズ拡散抑制効果を測定した。その結果、ガーネット膜を用いた場合と同じ抑制効果が得られ、しかもガーネット膜で観測された不安定性のような問題も生じないことが分かった。磁界測定感度として、周波数帯域f_m=100Hzで分解能ΔB=5pT(500fT/Hz^<1/2>)が得られることが明らかとなった。これより、高温超伝導SQUIDを代替し得る値であり、寒剤なしの心磁計測装置を開発できる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)