2009 Fiscal Year Annual Research Report
不安定構造のつりあい形状に関する探索方法の開発とその応用
Project/Area Number |
20656074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 武 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30026330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 智昭 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10211773)
吉川 仁 京都大学, 工学研究科, 助教 (90359836)
西藤 潤 京都大学, 工学研究科, 助教 (40456801)
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Keywords | 不安定構造 / つりあい形状 / 解の多価性 |
Research Abstract |
本年度は、1.大規模構造への適用、2.計算時間の短縮、3.解の多価性の検証、に関する研究を計画していた。 1.および 2.については、すでに開発した数値プログラムの改良である。定式化の改良によって繰り返し計算の計算回数を減少させることで計算時間の短縮を図った。その結果、大規模な問題でも計算コストを減少させることが可能となった。3.については、全てを網羅的に検証することは難しいので、4本の部材からなるトラスを対象に検証を行った。不安定構造が安定形状に向かって変形していくと、部材の木きさの組み合わせと初期形状に影響を受けて、2つ以上のつりあい形状を呈することがある。これについては、理論的にも数値的にも未知の分野であった。本研究では、部材長さを変化させさまざまな初期形状を与えることで、何種類のつり合い形状が得られるかということについて数値的に調べたのち、各部材長さと到達するつり合い形状の種類数との関係について理論的考察を行った。また、どの初期形状がどの解に落ち着くのかという初期形状と解の関係についても数値的な検討を行った。この理論的考察をより複雑な問題に応用することで、構造物の設計や補修を行う際に力学的に最適な方法について議論することが可能となる。また、同時にこれらの手法を発展させ、トラスの部材数を安定的に変化させる問題を考えることで、構造物の最適な施工手順、あるいは解体手順を見出すことが可能となる。
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