2008 Fiscal Year Annual Research Report
微生物機能を利用した既存土構造物の耐災性向上技術の評価手法の開発
Project/Area Number |
20656076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑野 玲子 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (80312974)
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Keywords | 地盤改良 / 微生物 / 砂 |
Research Abstract |
本研究は、軟弱粘土や砂質地に微生物機能を利用して土粒子間固結力を付加させることにより、既存の土構造物や埋設構造物の地震時液状化や降雨時の土砂流出に対する耐災性を向上することを目指し、有用微生物の地盤内目的箇所への均質かつ効果的輸送と保持、および微生物機能による地盤固化の進度とその効果の評価方法について解明することが主な目的である。 本年度は、三軸試験装置をもちいて、ゆる詰め砂供試体に微生物機能を用いて固化を発現させ、その進度を供試体内を伝播するせん断波速度測定により非破壊で評価することを試みた。微生物源としては、池の水あるいは土壌内に自然に生息するものを用い、栄養げんとして有機物(スクロース)、または尿素を添加したバイオグラウトを作成した。尿素を添加したグラウトを用いた場合に、せん断波速度が約1.8倍、排水三軸強度が1.2倍に増加するという顕著な固化効果が見られ、SEMにより砂粒子間をつなぐような固結物質が観察された。一方、スクロース添加の場合は、せん断波速度や強度増加において顕著な効果は見られなかったものの、SEM-EDSの観察ではカルシウム系鉱物の析出がみられた。なお、供試体内へ均質に定常的にグラウトを浸透させることは容易ではなく、浸透開始からしばらくしてそれ以上の浸透が著しく困難になる場合や、不均質な浸透経路に沿って不均質に固化が発現する場合が見られるなど、課題が残った。また、発現した固化生成物の安定した保持も今後検討必要である。
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Research Products
(4 results)