2008 Fiscal Year Annual Research Report
産業廃棄物を用いた混合セメント水和物の中性子散乱による構造解析
Project/Area Number |
20656087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅村 靖弘 Nihon University, 理工学部, 教授 (70246825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
露木 尚光 日本大学, 理工学部, 教授 (20059611)
小泉 公志郎 日本大学, 理工学部, 講師 (10312042)
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Keywords | セメント / 産業廃棄物 / 混和材 / 鉄鋼スラグ / セメント水和物 / ケイ酸カルシウム水和物 / フッ素アパタイト |
Research Abstract |
環境負荷低減及びCO_2の発生量削減から,コンクリート工学分野では製鋼過程で発生する鉄鋼スラグや火力発電所から発生する石炭灰さらには一般都市ごみや下水汚泥等の焼却灰のセメントへの使用が増加している。これらのリサイクル材を使用したコンクリートの力学的特性と耐久性に及ぼす材料特性を把握するためには,セメント及び廃棄物からリサイクルされた材料から生成されたセメント水和生成物が形成する微細組織の定量化を行う必要がある。このセメント及び混和材料の水和生成物には,結晶性が低い化合物であるケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)が多くを占めている。したがってこのセメントの強度発現特性や収縮特性を調べるためには,結晶性が低い化合物であるケイ酸カルシウム水和物の分析が必要となる。本年度は,C-S-Hの生成に大きく寄与するセメントの主鉱物であるダイカルシウムシリケート(β-C_2S)の含有量の違いがC-S-Hの主構造を成すケイ酸アニオンの形態に及ぼす影響にについて検討した。その結果,β-C_2Sが増加すると水和初期の水和反応は遅くなるが長期の水和発熱量は増加した。この状況と連動し,初期材齢での細孔径分布は大きくなり,長期材齢になるにつれて小さくなった。これは圧縮強度発現にも関係し,初期材齢では強度発現が遅くなったが,材齢28日以降の強度増加は大きくなった。しかし,C-S-Hのシロキサン結合の平均重合度に大きな違いは認められなかった。さらに,産業廃棄物である鉄鋼スラグの内,脱リンスラグに含有するフッ素アパタイト水和群(Ca_<10>(PO_4)_6F_2)がC-S-Hのシロキサン結合の重合度を促進させることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)