2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20656103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 彰 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (50292264)
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Keywords | 結晶工学 / 先端機能デバイス / 放射線・X線・粒子線 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究では透明(透過率80%以上)セラミックスを開発し、APD等の受光素子と合せて、放射線応答が現状の構成(単結晶LuAG+PMT)を凌駕することが目標である。Pr : LuAGの透明セラミックスの分光評価および結晶性評価、高倍率電子顕微鏡評価等を行い、作製過程へのフィードバックをかける。併せて、最適な受光器を選択し、応用現場に近い環境下で放射線応答の評価を行うことを目標とした。 作製したサンプルを、本研究グループが保有する蛍光分光器、透過率測定器を用いて詳細に光学特性の評価を行った。初年度である今年は、まだ透明セラミックスの作成条件が最適化されていないため、透過率が単結晶のそれと比して20%程度であった。その結果、発光量は1/3程度となっている。また、走査型電子顕微鏡により得られた組織観察の結果、透明度が上がらない理由の一つに空孔の存在があることが判ったので、セラミックス作製時における脱泡の効率を改善する必要があることが分かった。 今後、作成条件が最適化されて透過率が向上すれば、光の取り出し効率が向上し、単結晶よりも高い発光量を発現することも充分に期待できる。加えて、透明セラミックスでは、賦活剤であるPrの濃度が、融液成長法で作製した単結晶の固溶限界である0.2%よりも高濃度で固溶させることが可能であることが分かった。現状で1.0%までは透明体が作製できている。これにより、作成条件が最適化できれば、Prの最適値も評価することができると考えている。
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