Research Abstract |
フェムト秒レーザーパルスの集光照射によるマイクロ加工法は,ガラス等の透明材料内部を空間選択的に改質できる優れた手法であり,3次元微細光学素子等への応用が期待されている.また,特殊なガラスを用いると,金属ナノ粒子をガラス内部に析出させることも可能である.本手法は,金属ナノ粒子の多様な光学特性を活用し,ガラス中に大きな光学性変化を誘起できる点が魅力的である. 一方,我々は,フェムト秒レーザーパルスを利用したマイクロ接合法を提案し,ガラス同士の接合やガラス-金属間の接合を実現してきた.本接合法では,試料内接面にレーザーパルスを集光照射することで,非線形吸収・線形吸収の双方を介してガラスと金属が同時に溶融し,混合するという特殊な状況が発生していると考えられている.しかし,この現象の詳細は解明されておらず,接合メカニズムも明らかになっていない.また,接合過程において,ガラスに大きな物性変化が誘起されている可能性もあり,接合以外の応用も期待される. 本研究では,ガラス-金属間マイクロ接合における接合界面観察を行い,界面近傍のガラス内に金属ナノ粒子が作製されることを見出した.さらに,金属薄膜をガラスで挟み,その領域にレーザーパルスを集光照射することで,金属ナノ粒子が含まれた透明領域をガラス内部に形成することに成功した.
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