2008 Fiscal Year Annual Research Report
恒久的にエステル交換触媒活性を発現する新規なアルコキシド型アニオン樹脂の作製
Project/Area Number |
20656128
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米本 年邦 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (40125688)
|
Keywords | バイオデイーゼル燃料 / 固体触媒 / イオン交換樹脂 |
Research Abstract |
本研究では、環境調和型バイオディーゼル燃料(BDF)を合成するためのエステル交換反応の新規な不均相固体触媒として、恒久的に触媒活性を発現するアルコキシド型アニオン樹脂の作製を目指す。本年度は、廃食油(油脂)とメタノールを原料とし、これらをエステル交換反応の量論モル比1:3で混合した均一相溶液を、陰イオン交換樹脂Dioaion PA306Sを充填したカラム型リアクターに所定流量で供給することで連続BDF合成実験を行った。これまでの研究により、この樹脂は目的とするエステル交換反応と併行して、樹脂の触媒活性部位OH基と、反応物である油脂の脂肪酸基とのイオン交換反応を生じるため、触媒活性が徐々に低下することが分かっている。既に、樹脂の触媒活性を完全回復可能な再生処理操作として、1)脂肪酸基除去のための酢酸メタノール溶液供給、2)OH基付加のためのNaOH水溶液供給、3)NaOH除去のための純水供給、4)反応物で膨潤させるためのメタノール供給、を提案している。これまで常温で行っていた再生処理操作を、反応温度条件で行ったところ、BDF連続合成実験における樹脂の触媒活性の低下が緩やかとなることが分かった。常温で再生処理した樹脂を用いた場合、溶液供給開始後80時間程度で樹脂の触媒活性が完全に消失したが、反応温度で再生処理した樹脂を用いた場合、活性が低下しているものの100時間以上BDFを合成し続けていることが分かった。この原因として、樹脂が目的とするアルコキシド型となっている可能性があると考えている。
|