2008 Fiscal Year Annual Research Report
後方乱気流ライダ計測融合シミュレーション技術の確立
Project/Area Number |
20656139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大林 茂 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (80183028)
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Keywords | 後方乱気流 / 数値流体力学 / ライダ / 計測融合シミュレーション / 同化手法 / 4次元変分法 |
Research Abstract |
本研究では, 今後も堅調に増加すると予想される航空機の国内空港離発着数を鑑み, 安全かつ効率的な離発着間隔の検討を目的として, ライダ(レーザーレーダ)による離着陸機の後流計測, および計測データを数値流体力学(CFD)シミュレーションに融合し後方乱気流の流れ場を計算空間内に再現するライダ計測融合シミュレーション技術の開発を行った. まず, 仙台空港に設置されたENRIの後方乱気流計測用ライダを用いて, 定期的に後方乱気流の計測を行い, 統計データとして後方乱気流の循環強度および持続時間の調査を実施し, データベースを構築した. 次に, 数値気象予報などで用いられている観測データ同化手法である4次元変分(4D-Var)法に基づくライダ計測同化手法の開発を行い, 後方乱気流を含む3次元流れ場を限られたデータから効率よく再現する方法を開発した. 4D-Var法は時系列多点データに対して, ある時間区間における数値シミュレーションの結果がそれらのデータと一致するように数値シミュレーションの初期・境界条件を決定する方法である. 具体的には計測データとそれに対応する量に変換された計算値の差を目的関数として定義し, その目的関数の最小化問題を準ニュートン法により解く. また, 離陸前に空港空域のライダ計測から大気状態を再現する方法を開発し, モデル渦を用いて後方乱気流を予測する方法を開発した。この手法により, 今後計算速度が向上すれば予測技術として航空管制に役立てることも期待できる. さらに, この研究で開発した手法を晴天乱気流にも適用した.
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Research Products
(4 results)